例え君が記憶に飲まれたとしても。

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5:雨倉ユーキ:2019/05/27(月) 18:04

聞き覚えのある声。
それはか細い、綺麗な、小さな声。
それはもう舞月梨しかいない。

「女子も体育だったね。どうしたの?」
気まずくなる前に聞いてみた。
舞月梨は僕を見て体をビクビクさせる。
「バ…バスケで…村上さんの…ボールが当たって…」
「僕と一緒かww僕もなんだよねw」
笑いながらそう返す。

んーやっぱおかしいなぁ。
舞月梨は今日来たばっかなのに名前よく覚えてるよなぁ。
村上なんているのかいないのかわからないやつなのに。


「ねえ、どうして村上を知ってるの?」
「どうして…って…わ、私も同じクラスの人くらい…覚えて…ますよ」

果たしてそれは本当か?
40人を1時間も経たずに覚えられる?
そして授業中。

聞こうと思ったが流石にやめて「そっか」といった。

あ、やべえ。気まずい沈黙タイム…
こういう時が1番嫌いなんだよなぁ…

何か話題を考えていると舞月梨が話し出した。



「あの…結城くんは…私を…私のことを…覚えていますか…?」


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