いらない、いらない。怖い炎も、人を傷つけるだけの武器も。いつまでこの世界は、醜い戦争を続けるのでしょう。この世界についてしまったのは、ただの戦争の神なのでしょうか。平和を愛する神様は、どこかに消えてしまったのでしょうか。ええきっと、違う世界線の、どこかへ消えてしまったのでしょう。でも、それでも。……少しくらいなら、平和を願っても良くは無いのか、と彼女は思いました。平和くらい、望んだって良いことではないのか、なんて。それさえも、我儘になってしまうとは、あまりにも酷い事でしょう。姫では無くなった彼女は、暑さにやられたのか、数本ネジの外れたらしい頭で考えました。このまま居ても死が訪れるだけで、良いことは無いでしょう。ありもしないのです。死と言うものは、一番の恐怖であって、それを乗り越えられるものはないのですから。……まあ、今の彼女は恐怖と思っていないようですが。