時間戦士 アシタ☆ガールズ

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3:ふたば◆r.:2019/08/02(金) 20:17

「……はっ!」

ノンレム睡眠……そんな言葉をあすかは知らないが、
夢を見ないまま、彼女は目を覚ました。

何時間寝ていたかもわからない。
十分、一時間、それ以上かもしれない。

先ほどまであった疲れは、すぅーっと消えていた。

「うー……寝過ぎたかな。ふらふらする」

寝起きのだるい身体をゆっくりと起こし、あすかは立ち上がった。
そこで、彼女は気付く。

「あ……あれ? なに、これ……」

あすかは、目の前で起きている出来事に驚きを隠せなかった。
人も動物もみな、時間が止まったように動かない。

ちょんちょんとつついてみても、なにも反応がなかった。

よく見れば、時計の針も進まないままで……
あすかは気づいた。時間そのものが止まっていることに。

「なんで……どうして……?」

自分以外の全てが止まっている。体験したことのない超常現象。
その場に、立ち尽くすしかなかった……。


「それはね、俺が時間を止めたからだよ」
「え……?」

何もかもが動かない、なにも聞こえなくなった空間で、若い男の声が聞こえてくる。
あすかは声のした方を向いた。

「俺はラノーマ。なんで君だけ時間が止まってないの?」

長丈の服を着た、青年。ラノーマと名乗ったその青年は、
不思議そうにあすかを見ていた。

「……ま、それだったら、力づくでやるだけなんだけど」

ラノーマは、指をパチンと鳴らす。
するとその背後から、怪人が姿を現した。

「ひっ……!」

鋭利な爪、強靭な身体。テレビドラマで見る怪人そのものだった。

「よし、やれ」
「ぐるるるる!」

ラノーマが手を下ろすと、怪人は爪を振りかざしながらあすかに襲いかかる。

「あ……いや……」

このままでは、死ぬ。あすかは確信を持ってそう思えた。


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