ハーモニー 〜春の桜散らせて〜

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5:ありさ◆8g:2019/09/01(日) 18:02

_彼女が奏でるハーモニーには、深い深い秘密があった。

彼女自身も知らない、力の秘密が。

この力は、世界を、この世を動かす重要な鍵となる___


まだちょっとだけ冷たい、なったばかりの、春。

遥香は、とんでもない音の目覚まし時計でも聞いたかのように、朝早くに飛び起きた。

まだ、お母さんもお父さんも夢の中の世界にいる。

(なんか、すごい朝早くに起きちゃった。・・・そうとなれば、ピアノの練習だ!!
 
 まだ学校に行くまでに時間があるし・・・やったー!)

白とは言えない、少し色あせたクローゼットの中から紺色のジャケット、白いシャツ、赤いチェックのスカートを取り出した。

(まだダボダボ。でも、2年後にはこの制服、ぴったりになっているのかな。)

遥香はそんなことを考えながら、着替えを済ませると、両親に気づかれないように、

忍び足差し足で階段を降りた。この時遥香の胸の中は、ワクワクが止まらなかった。

すごく大好きで、下手したら世界一好きなピアノを朝早くから弾けるのだから。




 


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