そうやって、いつものように、悠哉と騒いでいると。
「お前ら付き合ってんのー?」
と、誰かが叫んだ。もちろん、クラス中に聞こえる声で。
「「は⁉付き合ってねーし!」」
私は、思わず悠哉とハモってしまったことに、驚きつつも、笑いを隠せなかった。
そうして、悠哉は少し照れているのにも気づかず、クスクス笑っていた。
「朝倉さんさー、口悪くなかったらモテるのになー」
「は⁉なによそれ!」
私は基本、大人しく過ごすようにしている。
あの時から⎯⎯⎯
あれは、私が小学三年生の時。
今みたいに、大人しく過ごすんじゃなくて、いかにも元気っ子だった。
口も悪いのかはわかんないけど、今よりは悪かった。
でも、女子に省かれるとかそんなことはなくて、楽しく過ごしてた。
だけど、放課後の5時、忘れ物を取りに来たとき男子数名でなにかを話していた。
ちらっと見ると、悠哉もいた。
私は、中に入っているよりも、話が聞きたくて、廊下で聞いてみた。
「悠哉って朝倉さんのこと好きなんだろー」
「は⁉ちげーよ、あんなうるさいやつ」
悠哉は、からかわれたあげく、そう言った。
私は、私のこと、嫌いなんだ…と、思い、泣きながら廊下を走った。
その時、悠哉達は気づいてなかったと思う。
その翌日から、私は大人しく過ごすようにしていた。