剣士ステラと七つの宝玉

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1:ふたば◆r.:2019/11/25(月) 05:24

「―――どうしよう、迷子になっちゃった」

薄暗く、樹々の生い茂る森の中。
カゴいっぱいの薬草と古びた杖を持ち、赤いローブを纏う少女は、

道であるのかもわからないような草の上で、立ち往生していた。


「ま、魔物とかに出会しちゃったら、いやだな……」


そんな思いを裏切るかのように、目の前の大木が真っ二つになって
少女の目前で倒れた。

「え……ま、まさか……!」


木を切り倒すような魔物は、少女の知る限りでは森の中に一種類しかいない。

「キシャー……お、人間か?まだ幼子じゃないかァ!こりゃ大手柄だな!」

少女の目の前に現れたのは、緑色をした巨漢の生物。ゴブリンであった。


「こ、来ないで!」

ゴブリン相手に、杖を振り回して牽制を図ろうとする少女。
しかし向こうはそれを物ともせず、手に持った木棒を見せながらじりじりと距離を詰めてくる。


「このままじゃ、私……!」

万事休す。少女が半ば諦めかけた、その時だった。


「キシャァ!お前も大ゴブリン様のところへ……痛ッ!な、なんだ!?」

ゴブリンが、突然悲鳴を上げて動きを止めた。
背後から誰かに殴られたらしい。


「あれは……」

ゴブリンが頭を押さえる背後を、ローブの少女は見た。

「……あれ、おかしいなぁ?この剣、切れないんだけど……」

そこには、長い髪を後ろで一つ結びにし、
装備としては軽めな物をつけた別の少女が立っていた。



「な、何なんだオ前!」

ゴブリンが少女に、名前を問う。
そして少女は、高らかに答える。その手に持った剣を振り上げて。


「あたしはステラ!この大陸で、一番の剣士になる女の子!」


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