剣士ステラと七つの宝玉

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3:ふたば◆r.:2019/11/25(月) 11:00

「それじゃ、行ってくる!」

旅支度を終えたステラ。防具をつけて金袋と荷物を持ち、家を出た。
両親の見送りに手を振りながら、元気よく駆け出していく。

彼女が最初に目指すのは、近隣の隣町。素手で戦うのは厳しいので、武器を調達するためだ。



ーーー通り道の林ーーー


隣町へ行くにはこの道を通る必要がある。
小さな頃から何度も両親と通っているので、ステラには慣れた場所だった。

「さて……武器屋さんは初めて行くなぁ。どんな剣が売ってるのかな」

そんなことを考えていると、目の前の茂みがガサガサと揺れ出した。


「ぐるるるる……」

「あ、野犬だ。噛みつかれたら二度と離れないって言うし、逃げたほうがいいかな……でも危ないから倒しておいたほうが……」

ステラの脳内に、選択肢が浮かび上がる。


倒す←
倒さない



「倒そう!」

なぜ選択肢が出た瞬間から答えが決まっているのだステラよ。

「よーし、剣はないけどかかってきなさい!」

「ガウッ!!」

臨戦態勢を取るステラに、野犬が飛びかかる。

「一発パンチをお見舞いすれば……!」

ステラは拳を引き、野犬に向かって突き出した。
しかし野犬はびくともせず、ステラは一旦下がった。

「えー、嘘!何で!?」


ステラ レベル1
ちから 3
まもり 6
はやさ 10

野犬 レベル3
ちから 4
まもり 8
はやさ 9

「そんな!あたしの力ってそんなものだったの!?剣があったら誰にも負けないのに……」

ステラの能力値は、片手武器ありきの物だった。
剣やナイフを持てば、敵う大人たちは居ないが……素手ではモンスターにも敵わなくなる。

「ぐるるる……」

「こうなったら……逃げるが勝ちね!」


ステラは野犬の上を飛び越えると、すぐさま出口目指して駆け出していった。
戦えなければ逃げてもいいのだ。


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