放課後、帰ろうとすると、先生が話しかけてきた。
「私もあなたに謝らなければならないわね。この前の花壇のこと…あなたの意見も聞かず一方的に責めちゃって…本当にごめんなさい。」
先生は深く頭を下げた。
「やめてくださいよ、もう大丈夫ですから!」
先生はゆっくり頭を上げ、「ありがとう」と言い、教室を出ていった。
その日、私は春と帰った。すると春は謝ってきた。
「あのメール、返さなくてごめんね。助けるか助けないかすごく迷って…それで芽衣は自殺しようと…ごめんなさい…」
そうだったのか…そりゃそうだよ、私が先に裏切ったんだから…
「もー、顔上げてよ!もう済んだ話だしいいよ。そんな顔は春には似合わないよ!」
私は春の頬をぐにぐにした。
「ひゃ、ひゃめてー!」
春の声に私は大笑いした。春もつられて笑った。春の笑顔を見ると、心があたたかくなった。
次の日―
「いってきまーす!」
私は元気よく学校を出た。暖かい日差しが私を照らした。
学校につくと、花壇に紫のアネモネが植えられていた。
向こうにはハナズオウが咲いている。
「アネモネとハナズオウ…か」
私はそうつぶやくと、教室へ向かった。
END