時は戦国時代
永禄2年 1559年
一人のお坊さんが散歩をしていた。
「梅の花の香りがするのぅ〜
時期、桜も咲き始めるのであろう」
今の時期でいえば、二月の終わり
冬の寒さがあるが、だんだん暖かくなってきた春になっていく。
梅の花が咲いたということは、
春が目の前…
すると…
ヴギャー、ヴギャー
どこからか?
赤子の泣き声がする。
遠くではない。
どうやら?近くにいるのか?
気になって、赤子の泣き声がある場所へと向かった。
「・・・・」
木の下にいたのは、赤子だった。
「捨てられたのか?」
しかし、赤子は、泣くことしか出来ず、
答えてはくれない。
「おお、可哀想に…」
お坊さんは、赤子を抱き上げる。
「こんなところでは、死んでしまう!」
何も出来ない赤子がこんなところに居てはすぐに死んでしまう!
「神様や仏様、この子は私が引き取ります。」
お坊さんは、赤子を連れ、寺へと帰ったのである。
赤子の性別は女児。
梅の花が咲いた日に拾ったので、
「梅 うめ」とつけられました。