1.東京からの転校生
「HR始めるぞー。とその前に、今日は転校生がいる。転校生、入りなさい。」
先生がそう言うと、教室のドアから見知らぬ女の子がさっそうと歩いて入って来た。
「初めまして、東京から来た藤塚愛沙です。趣味はお菓子作り、特技はピアノです。よろしくお願いします。」
転校生の藤塚さんは、すごく美人だった。
軽くウェーブのかかった茶髪、吸い込まれそうな大きな目、形の整った唇。
あたしが今まで出会った人の中で一番美人、と言っても過言ではない。
先生の話によると、藤塚さんの父親は、日本を代表するモバイル会社の社長で、この学校にかなりの寄付をしたらしい。
先生も藤塚さんには甘くなりそう。
あ、話変わるけどね、この学校実は、偏差値72のお嬢様学園なの。
奨学金でここに入った生徒もいるけれど、大半は家がお金持ちだ。
あたしのパパは、国立病院の院長。パパも学校に寄付金を払っている。
寄付金を払っている同士で仲良くなれそう。
そして休み時間。あたしは思い切って藤塚さんに話しかけた。
「そのペンポ、可愛いね!どこの?」