次の日
「ねぇ凛ちゃーん、この煮付け凄い塩っぱいんだけどちょっとやり直してもらえるかなー?」
「すいません」
また次の日
「ねぇ凛ちゃーん、このお皿ご飯粒付いてるけど本当にちゃんと洗ったのー?やりなおして?」
「は、はい、すいませんやり直します」
そのまた次の日も
「ねぇ凛ちゃーん、これレジ金間違えてるんだけど凛ちゃんじゃないー?」
「あ、いや、私今日レジ入ってないんですけど」
「え、入ってたよねー、さっき二回くらい入ってたよねー、多分その時だと思うんだよねー、最近浮かれてんのか知らないけどそれでミスったんじゃなくて?とりあえず確認しといてよろしくね」
それから高城は事あるごとに私の名前を呼んだ。
バイトに行けば「ねぇ凛ちゃーん」とずっと呼んでくるのだ。
もうやめて……
私の名前をもう呼ばないで……
私は高城さんが夢に出てくるくらいに精神的に追い詰められて居た。
夢で「ねぇ凛ちゃーん」と言われながら追いかけられるのだ。
足がどんどん遅くなって走っても走っても前に進めないし本当に悪夢だった。
そんな感じで眠れなかった次の日、高城のババアの嬉しそうな声が聞こえてきた。