題名 ぼくと死神さん
死神「しね!」
少年「わ、今日も死神さんきた。でも、しなないよ」
死神「しねしね!」
少年「やだやだ!」
死神「そうか、なぜだ」
少年「しぬのこわいから」
死神「バカ。そんなクソ理由で生きてんのか」
少年「うん」
死神「うんじゃねえ!しね!」
少年「やだ」
死神「ふざけんな。お前はしなないといけねえんだよ」
少年「どうして」
死神「バカ。しんだ方が幸せだかんな」
少年「生きてるのも幸せ」
死神「どこがだよ」
少年「うーん、お母さんはやさしいし、学校のごはんはおいしいし、ちんすけくんが好きだって言ってくれるし、家に帰ったら布団で寝れる…それにね、」
死神「んなもん幸せじゃねえ!!」
少年「なんでだ」
死神「教えてやるよ。まず、お前の母親はクソ親だ。お前に虐待してる」
少年「うん」
死神「学校のごはん?テメェのメシは野菜だけだろうが。お前はいじめられっ子だから」
少年「うんうん」
死神「ちんすけくんだと?きっしょい名前のこいつについても教えてやる。こいつはいじめられっ子第二号。お前に告白したのは、罰ゲームでだよ」
少年「なるほどね〜」
死神「家の布団、もうカビだらけだろ。だからお前の体臭にも影響してる。ほら、お前の生きてるこの世界は不幸だらけだ。悪意まみれだ。」
少年「でも、生きてる」
死神「はぁぁ?言語能力お粗末かよ。生きてる。そう、だからこそ死をオススメしてんだって言ってんだろ。クソガキ」
少年「ふふ」
死神「なにわろてんねん。しねよいい加減。不幸なんだからおまえは」
少年「生きてるのはやっぱり幸せだよ」
死神「だから、不幸せだって言ってんだろ。バカかよ」
少年「バカだよ。でも幸せ」
死神「はあ?」
少年「だって、生きてれば死神さんと会える」
死神「意味わかんねーよ」
少年「死神さんだけが、ぼくの幸福を真剣に考えてくれてる。ぼくはね、死神さんと話すこの時間が一番幸せなんだ」