俺は学校に到着した。そして、下駄箱から部室に移動し、さっき電車内で書いた「ぼくと死神さん」という作品をクソセンパイに見せた。
「おー、すんごいクソ小説だね。まだ痛々しいポエムの方がマシ。てか描写ないし、構成雑すぎない?不自然な発言もたくさんあるし。ハッ、しょうもな、ゴミみたい」
案の定、クソセンパイはいつものように辛口どころか悪口を言った。クソセンパイは拳で殴りたい女マイランキング1位に位置する。だが、俺は感情を殺して自制する。
「まあ、俺の作品はいいっすよ。別に上とか目指してないですし。そもそも小説部ってセンパイみたいなガチ勢、少数派ですよ。俺に価値観を押し付けないでください。」
このセンパイの前では卑屈にならざるをえない。俺は、カバンを手に、部室から出た。センパイの反論を聞きたくなかったからだ。
センパイは顔はいいのに、中身はゲテモノ。体の関係は大歓迎だが、付き合う関係はおろか、友達関係すらもお断りだ。もっとも、こんなこと口にして言えるほど自分は優れているわけではないのだが。