「…保健室?」
目覚めるとそこは保健室のベッド。
起き上がると保健室の先生からの書き置きが机の上に置いてあった。
『出張行ってます。熱もなさそうだから、気分良くなったら教室戻っても良いよ』
「『教室戻ってます。 坂川』っと…」
書き置きの右下に小さく書いた。
保健室から出ようと扉を開こうとした時。雲りガラスに写る後ろ姿。これは…
「小柳…!?」
茶色っぽくて黒い髪色。
あのおしゃれな立ち方。
あれは間違いなく小柳だ。
小柳にお礼言わなきゃ。
扉に手を触れると、
「あれ〜小柳くん?」
「…!麗花…」
麗花は真奈と双子の姉だ。
「小柳くんどーしたのぉ〜?」
あのネチャネチャとした喋り方と声。…嫌いだ。
「坂川先輩!えっとですね、美雨ちゃんが倒れたので保健室に…」
「あ?美雨を?」
…小柳は私が姉から見下されていることを知らないから…やってしまった。
「美雨なんてどーでもいいからさ〜私とお昼食べない?ホラ、もう時間も時間だし!」
「えっとその…」
麗花が小柳の手を引っ張る。
ガラッ
「美雨ちゃん!?」
「美雨…!」
「やめて麗花。小柳いじめないで。」
「はぁ?いじめてなんかないわよ。 あーもうムカつく。ブスは黙ってろよ!!!」
「っ…!」
麗花が私の頭を掴んで髪を引っ張る。
「やめてください。先輩。」
「小柳…!」