昇格試験会場は自衛団の演習場を使って行われる。
今回試験を受ける資格があるものが二百人、だがその内容を聞き志願をした者が…五十弱。
アンデッドと聞いて逃げ出すものが後を絶たなかったらしい。
「はぁ、我ながら情けない」
頭を抱え、うなだれているのは此処の隊長、シアン・アッシュであった。
うなだれるのも無理はない、二百もの資格者からたったそれだけだったのだから。
「これでは、受かるものがいないのではないのですか?」
「うーん、いるにはいるのだがなぁ」
副隊長の問いにシアンは投げやりに答える。
「いや、受からんと話にならんなぁ」
シアンは煙草を吹かしつつ空に浮かぶ雲を一つ眺めていた。
「はぁ〜二、三人は受かりそうだったのにたった一人かぁ…あ〜頭が痛い…」