ぎぃぃいん。
刃と刃が衝突する。
「くっそ、骨のくせしやがってしつこい!」
フィーグは、目の前でショートソードを振り回している骸骨に、太刀を振るう。
しかし、相手もそうはさせまいと巧みに彼の剣の太刀筋を見事にかわしていく。
昇格試験の相手、老人に語っていたアンデッド…スケルトンである。
スケルトンとは、いわゆる生き物の死骸から骨だけに意志を持たせた化け物である。
スケルトンにも色々と種類があるが、今回は人間の物を使っているようなのだ。
しかし、他の動物と違い剣を持っている為なかなか手ごわそうである。
それも、その数六体。
「いくらなんでも多すぎるぞ、コリャ…」
フィーグは戦いのさなか口を尖がらせて文句を言っていた。
「こら、フィーグ!文句言う暇があったらさっさと終わらせろ、後がつかえてるぞ!」