「Red Line」
約三年前のあの日 あなたがはじめて
私にその傷を見せてくれた
それは何重にも重なっていて、深い傷跡のケロイドと化していた
ただ笑ってそれを見せるあなた まるで心の苦しみを消し去るみたいに
本当は痛みが忘れられる筈なんて無いのに 無言の傷跡がそれを物語っていた
ねえあなたはまた今日も 私のいない所で 幾重も傷ついているの?
音のない一人の場所で。
もし今も傷を増やすなら もしこれが可能なら
傷ついた分だけの その血を全て渡して
非力な私でいいなら 右手のペンを使い
ただ赤い 赤い字で 「一人じゃない」と書こう
「一人じゃない」と何度も
「一人じゃない」とあなたへ。