≪entr'acte アントラクト≫ 暗と楽と

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3:ヨウカズ:2014/04/28(月) 22:15

石膏褐色ポエム
(ご自愛ください的な←)


ふと見渡した時には 一人暗い穴に立っていて
見上げた青空は 背のびして届く高さじゃなくて
その縁で笑う彼らは 僕に気づくわけもなくて

あぁそうか ここは穴じゃない

周りの人が伸ばしてった柱の間に
いつまでもうずくまっているだけなんだ

僕がここでただ一人、うずくまっているだけだから

*

それなのに それだけなのに
なんでかやたらと喧しいな

その声の正体は 上から垂れ下がる古式受話器

『なんでうずくまってるの なんで顔をあげないの』

「煩いよ 鬱陶しいよ」
惨めな姿を笑われまいと

内弁慶ふりしぼって
柱の合間に逃げ込んだ

*

疲れたよ 疲れたのに
なんでか足が止まらないな

すすり泣いてる原因は 寄生虫「弱虫」のせい

弱気に内気に目立たずに そのくせ無いものねだってばかり

そんな僕を止めるように
置いてくれたんだろうこの罠を

体転ばしたそれはきっと 僕を強くする

秘密道具

*

ああ なんて 心地いい
優しい 暖かい兵器でしょう

ああ なんて 頼もしい
我慢 必要 無いでしょう

しかし これを使うには
寄生虫「弱虫」が邪魔ですね

だったら閉じ込めておきましょう

良心 弱味 泣き言
捨てて

酷心 強気 嘲り
装備して

さぁどうだ 行ってみようか
これできっと飛べるはず

僕に 気づかなかった彼らは
僕をきっと見上げるだろう

ぶら下がる古式受話器の声

発射音に欠き消された

*

人がゴミの様だ とは
よくいったものだ

眼下、凝らさねば見えない 彼ら

誰よりも高いこの柱
頂点の王座に腰掛けて

「ちょっと高いかな」
って嫌味言ったのは

待ってよどっちの方だっけ

*

出来ることならばもう少し 影よ刺し込んでやくれないか
「出過ぎた事を」と言われるだろう 誰か 横に座ってやくれないか
でも仕方ない 致し方無いだって

あぁそうさ この僕様を

造り上げたのは僕自身でさ
自ら望んでた気がするんだけど

なんでか不思議とこの玉座は、落ち着きやしないんだ

*

そうだった あぁそうだった
あんな風に輝きたかったんだ

だけど それらの輝きは
日々少しずつの賜物で

少し考えたら解るじゃあないか
地面からいきなり天へなんて

登りつめたとしても
ろくなもんじゃないだろうって、

ねぇ

*

誰からも見えない程高い
誰も見向きしやしない

玉座の上で独り縮こまり 膝を抱えた常態は
この場所を望んだ時と 大差なんぞありゃしない

無理矢理伸ばしたこの柱
日々少しずつをサボった柱

よく見りゃそこかしこヒビだらけで
世辞にも立派とは言えぬお姿だ

しまいこんだ筈の弱味も涙も
今更になって溢れてきた

その雫の 衝撃で
一瞬にして 崩れ去るくらい

僕にも 僕の心にも
僕は 無理強いしてたのだろう

*

まぶたを開けると 空が見えた
瓦礫の上だが とりあえず見えた

それがどうしてか安心して
寝転んだ頭にぶつかった機械

またもや垂れ下がってきた
古式受話器が こう言った

『お帰りなさい、お帰りなさい
 長らくお待ちしておりました
 メッセージを一件 預かっております
 速やかに再生いたします』

ー ー ー ー

『ねぇどうしてさ 閉じ込めるんだい
 本当に心から 要らないのなら

 今すぐ全て 離して頂戴
 君は僕が要らないんでしょう?』

ー ー ー ー

そして やっと 気づいたよ
そっと ちゃんと 抱きしめたよ

涙声の こいつはきっと
僕の嫌ってた僕だから

わかったよ 教わったよ
そうだ今から はじめようかな

僕を乗せている この瓦礫を
日々少しずつ 育てていくんだ

そしていつか きっと彼らと
同じくらいの柱になろうと 思うよ


ヨウカズ:2014/04/28(月) 22:21 [返信]

>>3 >>4 >>5 は、以前書かせて頂いたもの達です。
見返すのに楽なのでペーストしたということです(おま

…書き込んでくださっても…いいんです、よ…?(チラッチラッチry


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