手元から逃げた包丁が
硝子テーブルの上に落ちる
その刃には
小さな肉片と鮮血が
べっとりと付いていた
取り返しのつかないことを
してしまった
私は罪人だ
きっともう手遅れだ
これじゃあ地獄行きは
免れないじゃないか
死体はどうしようか
どうにもならないか
掃除はどうしようか
どうにもならないか
喉元から赤を
まるで他人事のように眺めながら
そんなことを考えていた
誤字。喉元から(吹き出す)赤を です