1.
___私は恋愛未経験。
好きな人なんて出来たことなかったけど。
あの人にドキドキしてるのは、
___夏の暑さのせいかな。
(>>0005は辞めます,すいません)
1.
炎暑の夏が来た。
「よー、行こっ!」
太陽の様な眩しい笑顔。
田辺梨華は私の手を引いて、足早に歩く。
「ごめん、私が朝弱いばっかりに……」
「何言ってんの、そんなこという余裕あったら歩け歩け!」
梨華にはいつも助けてもらうばかりだ。
私は少しでも梨華の役に立ちたいと、いつも思っている。
「わ、あれ、裕斗くんじゃない?」
歩道橋から見える、スラっと伸びた長い足。
梨華の彼氏、緒川裕斗。
美男美女の、お似合いのカップルだ。
「ん?」
裕斗くんに、1人の女の子が駆け寄る。
眼鏡を掛けて、地味な色のカーディガンを羽織った地味な子。
「あのこ、誰だろ?」
梨華に聞くと、梨華は横に居た派手な女子軍団を睨んでいた。
「梨華?」
梨華は涙を目に浮かべながら、そそくさとその場を去ってしまった。
「先、行ってる」
「え?梨華!!」
「私、裕斗くんのことが好きですっ!」
___は?
思わず耳を疑った。
裕斗くんは梨華の彼女でしょ……。
「うわ、あいつマジで言ったんだぁ〜」
耳にピアスをつけた、女の子。
髪は茶色で、カールがかかってて……。
あの地味な子とは正反対の、ものすごく派手な子。
「___柏原根性あるねぇ」
ロリポップをペロリと舐めて、その子はそうつぶやいた。