「 忘れるんだよ 」
「 無理に決まってる 、嫌だよ 」
「 だけど 、忘れないと 」
「 無理だよ!!!! 」
わたしはきみの胸に顔を埋めた 。きみは優しく頭を撫でてくれた 。離れたくなくて 、この温もりを逃したくなくてぎゅっと服をつかんだ 。
「 じゃあ僕ときみの最後のキスをしよう 」
きみはわたしを強く抱き締めた 、そしてわたしの頬に手を添えた 。
わたしは涙に濡れた顔のまま 、嫌だという風に首を横に何度も振った 。涙がとどめなく溢れてどうしようもなかった 。
「 嫌だよ 、離れたくないよ 」
きみが大好きなんだよ 、そう言う前にきみは微笑んでわたしに口付けた 。
微かに「 愛してる 」 、そう聞こえた気がした 。
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>>11
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