平凡な日々には微かな変化が付き物だ それはときに生活に大きく支障をもたらしたりする 「今学期から転入してきた伊吹愛さんだ」 彼女の事情で喋ることができないが仲良くしろよ 担任の声はもう、届かなかった 俺はその"伊吹愛"の虜になっていた 長い睫毛、滑らかな髪、整った顔 そして瞳の奥に潜んだ闇 彼女の一つ一つで俺はいつしか夢中になった 彼女が少し微笑んだ気がした