今書いてるのとはまた違う短編。
まずは、皆がおしてるアーヤ&若武
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【若武&立花】
若武は、特別教室に向かって走っていた。
「俺たちが帰るときアーヤまだいたけど…」
着けている腕時計を見る。
もしかしたらまだ…という淡い期待もあった。
時間を確認し、ため息をついた。
「帰ったか…」
でも、実際はまだ教室の鍵が閉められてないか心配だった。
ドアの前にたち、荒い呼吸を整えながら、若武はドアノブを回した。
途中で突っかかる感覚もなく、すんなり開く。
「あれ?」
中で人の気配がした。
先生が見回ってるのかわからないが開ける。
辺りを見回したとき、ひとつ隅の席に人が突っ伏していた。
あの、さらさらしてて、あの髪色は…。
「ア、ーヤ?」
アーヤは顔を上げて目を丸くした。
その時の目が赤かったのを見落とさなかった。
「わ、若武?どうしたの?」
「ちょっと忘れ物してさ…」
「そっか、じゃ、私帰るね」
椅子から立とうとした瞬間、アーヤに近付いてた若武はアーヤの肩を抱いた。
「わ、若武?!」
「俺は何があったか知らねぇ。でも、泣きたいなら今だけ俺の胸を貸してやる…」
「………」
抵抗をやめた。
同時に腕の力を弱めた。
次第にアーヤの肩が震え、服を握る手も強くなる。
若武は、その手を見たとき、男子と女子の違いを改めて思い、背中を撫でた。
「辛いときは貸してやる。だから、一人で抱えるな」
その言葉に小さくだが頷いた。
>>350短編小説での若武&アーヤ良い、とてもいいので続編御願いします