学パロセトモモ。
今日は委員会ですっかり遅くなってしまった。
何時も一緒に帰っている友達には先に帰って貰った為、今日は一人で帰途に就く事になっていた。
委員会の途中くらいからざーざーと雨が降る音がしていたが、案の定降っている。
制服が濡れるし面倒だなあ、何て思いながら靴を履き替え、校舎を出た。
そのまま折り畳み傘を出そうと鞄に手を突っ込む。
「…ない」
が、鞄の中に肝心の傘がない。
おかしい。何時も鞄の中に入れているのに。
「……あー、前にお兄ちゃんに貸したんだっけ。」
どうりで無い訳だ。よくよく考えればあれから返して貰ってなかったっけ。
傘が無い事が分かったはいいが、これからどうしよう。
雨はさっきよりも激しく地面を打ち付けている。
この状態で傘も無しに帰ればずぶ濡れだ。だからと言ってこのまま待っても、雨はそう簡単に引っ込んではくれないだろう。
…仕方ない。
走って帰ろう。
風邪を引いてもしょうがないや、と腹を括って一歩踏み出した時だった。
「如月さん!」
反射的に振り返る。
声の主は_____確か、同じ委員会の瀬戸君。
彼はそのまま早口で私に言った。
「一緒に、帰らないっすか?」