>>883続き、長くなった、連稿すまない
「ねぇ、ファンタジスタ、この屋敷ってほとんど鍵が掛かってないの?」
「あぁ、ある部屋を除いては、ほぼ開いていた」
え?ある部屋を除いてほぼ開いていたって…
それってつまり、その部屋に琴音さんがいる可能性が高いということじゃん
あれ?でも、なんで相手はその部屋だけ閉めたままなのかな?
もしも、私達に一泡吹かせたいとかならそれぞれの部屋に罠とか仕掛けていいはずだよね
というか、今私達がいる廊下とかも罠とか一つあったておかしくない
『飛鳥、気がついているかもしれないが罠とか仕掛けてないだろ?もしかしたら、相手は肉弾戦に近い戦い方をするつもりだ』
「え?そうなの?」
『たぶんな。それに琴音さんを見張る役目もいたっておかしくないが、ここまで何もないと相手は一人の可能性が高い。…もしかしたら、相手はファルコン並みの実力があるかもしれないな』
「え?ファルコン並みの実力!?」
思わず私は声を荒げてしまった
ファルコン並みの実力の持ち主って…でもそんなわけ…いや、そうだとしたらケイがさっき言ったみたいに見張り役の必要性はない
どちらにしろ、ファルコンと同等かそれぐらいの自信を持つ人物なのだろう
「そういえば、先程の犯人らしき人がいましたね」
「会ったの?というか、なんでそれを先に教えないの!?」
響の一言でまた私は声を出した
どこにいるかもわからないファルコン並みの犯人がすでにあっているなんて…早く教えて欲しかったよ!
「たしか、身長は…ファンタジスタさんとあまり変わりませんね。ただ、懐に何か隠し持っている可能性が高いです。僕の場合少し言葉を交わしただけですが、相手はただ悦楽したいだけみたいでしたね」
「えつらく…?」
『悦楽、喜び楽しみ満足するという意味だ』
身長がわかったことはありがたいけど…とりあえず相手は好戦的だということだけわかった
でも、楽しむか…どっかの誰かさんが似たようなことを…
たしか、盗みを一種のショーという形で楽しむ怪盗が…
「どうした?怪盗レッド、探偵、なにか俺の顔になにかついているかい?」
「……それで、その犯人らしい人はどこにいるかわかるの?」
「犯人らしい人は、暖炉がある部屋、正面玄関から目の前にある部屋にいると思いますね」
さっきの間はなに?とファンタジスタが言っているような気がしたけど、まずは響が目撃した人物を見に行くことにした
見に行く理由は、その人の体型と服装を見るためだ
何度も言うようだけどファルコンみたいに筋肉隆々な人物かもしれないし、懐に銃とか隠し持てるような服装をしている可能性だってある
それに、もしかしたら近くに琴音さんがいるかもしれないし、例えいなくても手掛かりぐらいは掴めるはず
響にお願いして暖炉がある部屋まで案内してもらった
今まで見てきた部屋のドアより一回り大きなドアに手をつけて静かに開ける
たぶんここは、リビングルームみたいなところなのかな
他の部屋は、ベッドルームみたいで決まった位置で決まった物しか置いてなかったけど、この部屋は広いし本棚や大小様々なソファーとアンティークな机がある
その机の上には……鈍く反射する一本の鍵と漆黒の涙が白い花と一緒に鳥籠の中で輝いていた
「リンドウ…?」
たぶん、一緒についてきたファンタジスタが小さく呟いたんだと思う
近くでは、黒いコートを着た男性が何か木の枝に結びつけている
体型は、そこまで筋肉隆々ではないけど…絶対あのコートには何かが仕組んである
もう少し近くで見るために素早くソファーの後ろに回りこんだ
黒い髪、より黒いバンダナ、紫のゴーグル、紫の瞳…
なんていうか、全身黒で染めているみたいな感じがする
今は、暖炉の明かりでこれぐらいのことがわかったけど暗闇だったらわかりづらい
黒さんって呼ぼうかな…?犯人らしい人とか相手とかだと混乱しちゃうし
その時、近くの棚からぐらりと本が落ちた
同時に、銀色の彗星が私が隠れているソファーを掠めた
>>883 神出鬼没、久しぶり!
危うく神出鬼没の小説の内容忘れるとこやった(笑)