暴走族ネタC 前回:>>107 1話:>>105
「じゃあ、これ頼んだよ?」
「……はい。」
放課後、あたしは一人で資料を整理していた。
理科準備室には紙の束が参列していて、酷い状態。
それで、ちょうど理科準備室の前を通りかかったあたしが整理する羽目になった。
本当、ありえない先生!しかも見返りはクッキー2枚だけよ?
……まぁ怒ってもしょうがないわよね。
「…」
喋る暇もないくらい急いで仕事(仕事って言えるのかしら…)をこなしていき、ふと気になった。
“……か、---ぁ? ”
……隣の部屋から、声が聞こえる?
でもこの隣の部屋は空き教室で、部活動も何にもないはず。
この学園は空き教室を使う際、生徒会への申請が必要となっている。
そしてその申請を受理するのは庶務であるあたしの役目。
申請願いは直接あたしのケータイに送られるから、送られたらすぐに分かるはずなんだけど…
一応何か連絡が来てないかケータイを見るけど、通知もない。
…はぁ、仕事が増えるのか。
けど、これを無視すればあたしが怒られるのよね。
あーもうしょうがない!
あたしが立ち上がろうとした時、何かがバサッと大きな音を立てて落ちた。
慌てて下を見るとゴムでまとめられた紙の束が8束ほど落ちている。
…手に持ってたの、完璧に忘れてた。
空き教室と資料、どっちを優先するか迷ったところ、先に資料を拾う事にした。
「まったく、何でいつもこんな失敗ばっかするかなぁ…」
文句を言うけど、手は慣れた手つきで紙を拾っていく。
あと1束、となった時……
「おい。」
あたしを覆うように人影が出来たと同時に、低い声が聞こえた。