「今日はお香の為に来てくれてありがとう!」
私は、偽りの笑顔を今日もファンに向ける。
何で好きでもない相手に本当の笑顔を見せないといけないのよっ!
何?アイドルってオモチャなの?舐めてんでしょ!
「やってられないっての!アイドルなんか辞めてやるわァァ!!!」
私は変装をして、楽屋を抜け出した。
「(ムフフ、メガネかけてるし青髪は誤魔化せないけど、天パはストパーで誤魔化した!服はただの黄色のワンピース!)」
完璧な変装ね!あとは、私を家に泊めてくれるカモを探すだけ
「はぁー…ダッル」
「どうしよっかな〜」
わたしがキョロキョロしながら歩いていると…
バンッ
「いたっ…」
「え、なにっ!?」
私は誰かにぶつかってしまった。
「いったーい!」
「あ、ごめん」
差し出された手を受け取り、顔を見てみると
めっちゃタイプなんだけど!
あのボサボサの髪の毛、タレ目、猫背!
ちょータイプ〜〜!
「あの…名前…名前を教えて?」
「俺?俺は松野一松…あんたは?」
「だ…大門香」
「へぇ〜…いい名前だね」
「ありがとう…」