>>457 続きです!!
「あっ!太陰、あれ、森の外じゃない!?」
昌浩が、弾んだ声を上げた。
それに対し、太陰も嬉しそうに頷く。
「そうね、もうすぐ帰れるわ!」
二人は嬉しそうに微笑みあった。
何しろ、色々あったのだ。
やれ、飛べないのがつまらないだの、やれ、お腹が空いただの、やれ、動物を愛でていただの。
とにかく色々ありすぎて、もう陽は西に傾いてあの真白い物の怪の瞳と同じ色になっていた。
しかし、漸く森以外のものが見えたのだ。
木も、もうそれほど邪魔ではない。
太陰は、嬉々として風を巻き起こした。
「昌浩、木の実をしっかり捕まえてなさいよっ!!」
「 やだぁー、こわいー!!」
「早く帰りたくないの?」
「くっ…誰のせいだと…!?」
「煩いわねぇ!」
有無を言わさず風流に巻き込む。
悲鳴が聞こえた気がしたが気にしない。
太陰は安倍の邸に向けて全力で飛び出した。