原作ではジュビア自身が熱湯になりグレイを襲うのだが、生憎とちょっと勇気が足りない。なんか、こう……うーん。
なので私は刀を抜いて足だけ水化してグレイを斬りつけた。「速ェ!!! 俺の造形魔法が追い付かねえだと!!?」とグレイはほざいているが知ったこっちゃない。もう一度構えて切り付けるがまあ、やっぱり避けられた。まあ、そうだろな。
「時間をかせがねえと」
私の攻撃を避けたグレイは這い出てきたところから飛び降りガシャと言う盛大な音を立てながら地面に着くなりアイスメイクで盾を造る。だがしかし、今の私の水は高温だ、それは刀も一緒である。私が幼い頃、とある有名な鍛冶屋に頼んで私と同じ体質のようにしてもらったのだ。散財したとは思うよ。後悔はしてない。
まあ、そんなお陰でグレイの盾は意味を成さずにじゅうじゅうと溶けていく。
『すまないね、あの子の為にならなきゃダメなんだ』
「何じゃそりゃ!!!」
足の水でグレイの皮膚を焼く。今度は水を多目でグレイを包んだ。上へと突き上げるとこのあとはジュビアの水にグレイが手を突っ込んで凍らせてちょっとグレイに役得アクシデントが起こると言う事態が発生するがそんなヘマはしない。
凍らされたとはいえ足だけ掴まれている状態だ。……まあ、スカートが氷の中でとんでもないことになっているが。
その氷も自力で破り、水でざぶざぶと攻撃していくとなんか、キレたグレイが叫びながら私を凍らせていき、とてつもない魔力で雨までも凍らせアイスゲイザーで私自身凍らせられてしまった。
『ふむ……私は負けたのか』
「どーよ? 熱は冷めたかい?」
『……頭は元々冷めているよ、グレイ君。
……雨がやんだな』
私の声にグレイが空を見上げて「お! やっと晴れたか」と嬉しそうに笑う。
そんなこと私は見ることもせず前世でよく見た青空がとても懐かしくて、少し涙が出てきた。
「で……まだやんのかい?」
『ん? 何か言ったかね? グレイ君』
「……」
『勝負なら私の敗けだ。……カッコつけるのは……まあ、虚しいだけだから、……やめた方が良いんじゃないか? それ』
「……」
『安心したまえ、私はここで大人しくしているよ』
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