「ひなみさん、分かりましたよ。とある人が、誘拐を計画しているということが。そしてですね。単独犯ということが分かりました。あとは、リッカを待つだけですね。この人が犯人です。リッカ、遅いですね。」
なるほど。やはりそうですか。
「ひなみん、怪しい人はいなかった。でも、トイレの裏に、黒の服とかが捨ててあったよ。」
「ありがとうございます。リッカ君。では、トイレの裏にみんな来てもらっても良いでしょうか。」
リッカ君の先導で、トイレの裏に行った。よし、黒の服がありますね。
「ありがとうございます。」
バラバラだったピースが、今ひとつになる。私が、ナゾトキをする時間がやって来ました。
「今からこの誘拐事件のラストページ、私がめくって差し上げます!」
「ナゾトキ姫来たー!」
「あなた、ナゾトキ姫だったの!」
よし。ぼんやりして、なんにも見えません。しっかりナゾトキをしなくてはいけませんね。
「この事件、歌縺さんが誘拐された事件ですが、この事件に関係がある人物は、あなたしかいません。三日月歌縺さんを襲った犯人は、」
スッっと、犯人の方を指差す。
「そう。霧島湯加梨さん。あなたですよ。自分で分かっていらしたんですよね。湯加梨さん!」
「どうして私だと思うの?私、歌縺のこと、今までで一番いい友達だと思っていたのよ。どうして襲う必要があるのよ。」
キッっと睨まれた。私は、睨まれても全然気にしない。
「証拠ですか?証拠ならありますよ。では、聞かせてもらっても良いですかね。今日、何時に集合しましたか。一応、文奈さんも教えてください。」
「私は、4時。早めに来ようってことになってたからね。」
文奈さんは4時に集合しました。
「私は、4時30分よ。別に何時でもいいでしょ。それがなんだって言うのよ!疑わないでほしいわね。」
「歌縺さん、腕時計していらっしゃいますが、誘拐されたときの時間なんてご存じでしょうか。」
歌縺さんに聞くと、こわばった顔で言った。
「4時45分です。」
あの怖さを、二度と思い出したくない感じです。
「では、4時45分のアリバイを確認します。文奈さん、あなたは、待ち合わせるって言ってましたよね。友達はどこにいますか。」
「あっちよ。分かれて、食べ物買いに来たから。全然遅くなってもいいわ。アリバイだけど、私は並んでいたわ。隣の列に、友達の未月(みづき)がいたわ。アリバイはあるのよ。」
アリバイは確認できましたね。
「わ、私は、歌縺を捜していたのよ。他の人と話す余裕なんてないのよ!」
「そうですか。でも、文奈さんに話しかけられたとき、振り向いていましたよね。どうしてですか。それに、湯加梨さんが誘拐犯だとしたら、歌縺さんが、自分で抜け出すことも可能です。だって、私たちのところに来ていたんですから。あと、思い出したんですけど、図書館に盗聴機が仕掛けてありました。それって、私たちが図書館探偵団って知っているからですよね。」
一旦終わるよ。