小鳥が騒がしく鳴き続ける朝。キッチンから聞こえる、ガチャガチャと食器を扱う音で目を覚ました。
時計を見るとまだ七時だった。今日は休日なので、特に早く起きる必要は無い。まだ眠気も残っているし、久しぶりに二度寝でもしようか。
しかし、その音と共に漂う香りに誘われるように、私は意に反してむくりと起き上がっていた。
着替えもせずにパジャマのまま一階に降りると、美味しそうな香りがいっそう強く鼻をかすめた。間違いない、今日の朝食はベーコンエッグだ。
キッチンから顔を覗かせている彼女ーー東條希は、にっこり微笑んで「おはよう」と言った。
いつ眠気が飛んでいったのか、やけにはっきりとした声で私も挨拶を返した。
「えりち、今日はいつもより早いやん」
希が、先程出来たばっかりの朝食を並べてくれる。コーンスープに、自家製パン。そしてベーコンエッグ。どうやら予感は的中したらしい。朝も昼も夜も、希の料理はいつも凝っている。少し休んでもいいのでは?と思うほど甲斐甲斐しく働いてくれているのだ。
「美味しそうな匂いがするなあ、って思ったら目が覚めちゃって···」
私の答えに、希はふふ、と笑って答える。その顔は、いかにも幸せそうだ。
「そうだ、今日はどこか遊びに行かない?」
早起きしたついでにと、ふと思い付いた案を口に出してみる。
そうすると、希は嬉しそうにはにかんだ。
「えりちからこうやって誘われるのも久しぶりやなあ。ありがとうね」
私はその言葉を肯定と受け取り、「どこに行く?」と聞いた。感謝の言葉を言われると少し照れくさいので、あえて答えなかった。
「えりちと一緒ならどこでもええよ。」
これはまた、照れくさいことを言ってくれたものだ。
こんな感覚は久しぶりで、しかしこういうのも悪くはないなと一人微笑んだ。
「 日常の中にも幸せを。 」/ のぞえり
妄想垂れ流しで恥ずかしいしこういう小説書くのなれない···