「ん?何?」
彦坂君に名前を初めて呼ばれて、何となく嬉しかった。
彦坂君は、走れメロスの次のページ、枕草子のページを開いた。
「僕、走れメロスの他に、枕草子も苦手なんだけど、立花さんいい?」
若武に教えたときに、枕草子の内容は把握できているから、彦坂君に教えることができるはず。
「うん、いいよ。枕草子を作った人は清少納言だよね。春はあけぼの、夏は夜っていうの知ってる?」
彦坂君はうなずいたけれど、首をかしげている。
もしかしたら…
「彦坂君、春はあけぼのの意味分からない?」
彦坂君はうなずいた。
意味なら、若武のとき1番把握したことだから、大丈夫なはず!
「春はあけぼの。これは、明け方のことで、夏は夜。まあ、夜だよね。秋は夕暮れ。そのまま夕暮れのこと。冬はつとめて。早朝のことだよ。」
小塚君もノートに書き込みながら聞いてくれた。
彦坂君は、ノートに何回も同じことを書いて覚えている。
「ありがとう。立花さん。僕の満点のテスト、ぜひ見てよ。」
私は大きくうなずいた。
彦坂君、小塚君。
頑張って、文学のテスト。
>>161から続き書いてないっけ?
分からなくなってる人、ごめん。
>>161から続き更新します。
見てね。