過去編です
相変わらずの下手くそ
〜奏瑪編〜
🎼🎶
人里から離れた場所で,小さな少女は夜空を見上げていた
何故こんなところに居るのだろうか
その答えは簡単だった。少女は人間では無い
名も無く一見普通の女の子
だが,少女が歌うと海が荒れる
歌声こそはとても美しいのだが………少女は歌うのを止めた
自分の自由が許されるその時まで
ある夜に,少女は「少しだけ」という気持ちで歌を歌った
とても美しい声だ
するとその声に惹かれて来た人間が多数
その人間達は少女を人間と思い褒め称える
少女は初めて褒められたことに喜びを隠せずニコニコと笑った
"人間は悪い人じゃない"
そう思っていた時代もあるだろう
人間達は少女の歌を"奇跡"と言った
それが過去に"凶器"と言われたことも知らずに………
水面の月がゆらゆら動いている
その月はこれから起きる"悲劇"を知っているような輝きを放っていた
少女が歌を歌った次の日に,事件が今までに無いくらい起きた
それにその事件は全て「海」に関すること
人間を沢山乗せた船は転覆し,海に近付いた人間は不思議なことに自分から海に近付いていくのだ
少女は絶望した
「私のせいだ」…………と
しかし馬鹿な人間はまさか少女のせいだとは思っていない
海の神が怒ったのだとでも思ったのだろう
少女はあんなに歌っては駄目だと自分に言い聞かせていたのに歌ってしまった
それの罰であるかのように,少女は自らの身を殺した
自分の故郷でなく人里で
雨の日に金髪の少年のような者が少女を見つけた
まるで家族であるかのように,優しく少女を抱き上げた
あの少女に似た女の子が,ある団体に入っていた
美しい歌声とあの容姿。まるで全く同じだった
「私は覇鷺奏瑪です
皆さんも一緒に歌いましょう……♪
これからも楽しく過ごせるように願っています」
挿し絵です
https://i.imgur.com/d3kvN3M.jpg