「起きたか、ルーシィ」
隣を見るとエルザちゃんがいて、時計を見ると0時を過ぎていた。
「ママとパパには連絡しておいた。もう少しでここに着くそうだ」
「だ、ダメだよ!エルザちゃん!!」
ママとパパは今日、西の大陸に行った。しかもお仕事で…
「私ならもう元気!だからママとパパには早く西の大陸に帰るように言って!!」
「ルーシィ…」
私のせいでお仕事が失敗するのはイヤ!!
すると、エルザちゃんは私の頭を撫でた。エルザちゃんは微笑んでいる。
「ルーシィ、ママもパパもお前が心配だから帰って来るんだ。たとえお仕事が失敗しても、それはお前のせいではない。」
「エルザ、ミラとラクサスだ。」
「ああ、分かった。ルーシィ、ママとパパが来た。」
私のパパとママは優しいって知ってるけど、なんだか今はとっても冷たい人だと思ってしまう
お仕事を優先して、娘の誕生日も忘れて、でも私を愛してると言ってくれた人
「ッ!」
また頭が痛くなった。痛いのもあるけど、苦しい…!
「けほ、苦しい…!」
「ッルーシィ!!」
ママが私を抱き締めた。なんでママが…?
「ミラ!何故ここにお前が?」
「来るのが遅ェんだよ…」
いつの間にかパパもいる!ママは私を抱き締めて、パパは私の隣に座って頭に手を置く。
「ママ…」
>>84の続き
「ご、ごめんなさい…私のせいで迷惑かけちゃって…」
「まったく…おバカな子ね。パパもママも、あなたたちと一緒にいる時間は少ないかもしれないわ。お仕事もあるしね」
ママは私を抱き締めたまま、話を始める。
「だけど、ママとパパに遠慮せずに甘えなさい。」
ママとパパと話す時間は少ない。お仕事が忙しいから。それでも、私とスティングを気遣ってくれる。
「たまにしか聞けないかもしれないけど、わがままも言っていいのよ」
ママと一緒にいると、何故か嬉しくて、胸があたたかくなるの。
そしてどこか、懐かしい。
「ミラ、ルーシィ」
「エルザ!」
「ミラ、今日はお前もラクサスもウチに泊まっていけ。ジェラールもそう言っている。」
「そう…?じゃあ、お言葉に甘えようかしら」
ママとエルザちゃんが部屋を出ると、頭痛が私を襲って来た。
頭の中に、人がいる。桜色の頭、青い猫、緋色の髪に鎧の人、謎に裸の人、青い髪の女の子、白い猫…
その人たちの顔は、霧でよく見えない。
「ふぇありー…てい、る」
頭に浮かんだ文字を口に出してみる。
フェアリーテイル 妖精の尻尾
「るーしぃ…はーとふぃりあ…」
ルーシィ・ハートフィリアって誰?ルーシィは私よね、?
「なつ、どらぐにる…はっぴー…いぐにーる、さらまんだー…」
次々と言葉が出てくる。どれも知っているようで知らない。てか、ナツってナツ・フェルナンデスじゃないの?
「ぐれい、ふるばすたー…えるざ、すかーれっと…さいきょうちーむ…」
分からない。でも分かる。この人たちのこと、知ってる。
「おうどうじゅうにもん…せいれい…ッ!アクエリアス!ロキ!バルゴ!キャンサー!スコーピオン!カプリコーン!サジタリウス!アリエス!ジェミニ!タウロス!」
思い出した。
全部。
ナツ・ドラグニルも、ハッピーも、グレイ・フルバスターも、エルザ・スカーレットも、最強チームも
黄道十二門の星霊も、妖精の尻尾…ギルドも
「なんで忘れてたのよ…あたし…」
あたしの頬に、涙が伝った。