コノミちゃんとトイレに行って戻って来ると、ジュリリンから置き手紙が残してあった。
{キャリーへ
私、新しいドラマの主演を努めることになったから、会議に出ます。お腹は大丈夫?じゃあ、お互い頑張ろ!
ジュリリンより}
ジュリリン、主演なんだぁ〜。
いいなぁ。あたしも出たい。
どうして脇役ばっかりなのかな?
「夏織さん、休憩ですか?」
「休憩」
コノミちゃんは、あたしの肩を揉んでくれた。
途中で声をかけながら。
あぁ、楽。
「夏織さん。仕事はあるんですか?」
「あるよ。あるけど、休憩。ジュリリンは人気だから。仕事の合間に会議があるの」
「ジュリリンさんすごいですね」
コノミちゃんは、ノートを取り出して何かを書き込んだ。
何を書き込んでいるんだろう。
「キャリー?ドラマの会議!」
「はい」
マネージャーかな(?)が呼んだ。
今のところ、ドラマは住人のお姉さん役の予定。
新しい新ドラマで、ジュリリンは出ないんだって。
こんなに連続で、いろんな仕事が来るなんて。
感謝感謝。
「夏織さん。会議室行きますよ。ワタシはとーこさんを探します。大地さんとデート中なので」
「いいなぁ、大地くんとデート」
あたしが一言つぶやくと、コノミちゃんが反応した。
「拓海さんといい感じじゃないんですか?とーこさん、毎日夏織さんと拓海さんの話してますよ!」
みとこ…。
ありがとう。
あたし、キャリーも恋も、頑張る!
「ってことです。キャリー、よろしくお願いします。メネメネ、ユユの役に交代ってこと忘れないでね」
ん?何?
コノミちゃんとお話してて聞いてなかった。
「キャリー、小さい声でブツブツ話してますけど、大丈夫ですか?」
「え?あたしですか?役の言葉をブツブツつぶやいてて」
マネージャーは、手を叩きながら褒めてくれた。
嬉しくないよ、ホント。
コノミちゃんは、みとこを探しにいってしまった。
よし、あたしも会議頑張ろ!
ジュリリンも頑張ってる!
続く
>>5の続き
「主役のユユ役をメネメネがやる。そして、キャリーがユユの妹のロロ」
また脇役かぁ。
お母さんとお父さん、絶対言う。
「夏織、また脇役なの?いい加減主演をやりなさい!」
「いいんだよ、夏織。しっかりやれば身につくから」
お母さんとお父さん、言うことが間逆で喧嘩になるし…
「キャリー、台本よ。しっかり読んでおくこと。ロロ役は、主役並みに難しいのよ。気を引き締めて」
「はいっ!」
楽屋で、みとこと歩美にメールする。
もう習慣になってきたしね。
用件:大地くんと
内容:デートどう?うまくいってる?
あたしはね、主役並みに難しい役を
いただいたからね!頑張るぞ(»`=´«)
送信して、歩美にもメールする。
用件:歩美どう?
内容:あたし、いい役ゲットしたよ!
ドラマ名は、『宇宙行く線物語』。
歩美はドラマとかどう?
送信すると、歩美からすぐメールがきた。
用件:夏織やるわね
内容:私も『宇宙行く線物語』出るわ。主役のユユ役で出るのよ。
夏織、ロロ役でしょう?私、メネメネと同一人物よ?
えーーーーーー!?
続く