単発【ラフィンの日】
「やぁ、ファルコン。」
その男―ラフィンは笑顔で言う。彼は冬だと言うのに、半袖のシャツ、青いジーンズを履いている。そして顔が死神のように、骨のように細い。
「ラフィンか・・・何の用だ」
「君と引き分けたって言う殺し屋ブルーと戦ってみたけれど、あんまり強くなかったよ。」
「それは奴が二刀流でなかったからだろう」
「あれ?二刀流だったのかい?知らなかったよ。あははははは」
いつものように能天気、というよりマヌケなような笑い方をするラフィン。彼はよく笑うためにこのコードネームがつけられた。
「あ、そうそう。これさっき買ったけど多かったから、上げるよ。」
ラフィンはポケットからカットキットというチョコを取り出し、そのままファルコンに手渡す。ファルコンはカットキットの袋を裂き、そのまま食べる。
「甘いな・・・」
「そうかい。じゃあね〜。怪我早く治るといいね〜。あははははははははっ」
「・・・」
ラフィンは、そのままエレベーターへ入り、ニックの部屋へと向った。
「やぁニック様。」
「・・・やぁ、ラフィン君じゃないか。」
「これどうぞ〜」
ラフィンは、さっきのカットキットをニックに向って投げ、ニックはそれをキャッチし、そのまま食べる。ラフィンは窓を開け、そこから飛び、着地。
「さぁて、そこ行こうかな〜」
ラフィンは、そのまま様々な場所を観光する。もちろん半袖なので目立つ。そしてカフェを発見し、そのままカフェへ向った。
「いらっしゃいませ。一名様ですか?」
「うんうん、一名様ですよ〜」
ラフィンはそのままカフェの奥へ行き、そこに座る。そして、そのラフィンの姿を見た一人の少年が、コーヒーを思いっきり吹き出す。
「ラッ・・・ラフィン・・・」
「あれ?君は青刃家の跡継ぎくんだっけ?なんで僕の名前を知ってるんだい?」
「え、えーと・・・気にすんな」
「なんでそんなに驚いているんだい?なんでそこまで僕にビックリするんだい?」
「いいから黙っててくれ・・・」
蒼太。彼はラフィンと戦い、敗れた記憶があるために、ラフィンに少々怯えている。そのままそそくさと店を出て行き、ラフィンは注文しておいたケーキが来て、そのままムッシャムッシャと食べる。
「うん、甘くて美味しい。」
これが、彼の日常である。
いつか蒼太の正体はバレてしまうんやろか?