単発【弁当】
蒼太視点
昼。それは平日ならば昼飯を食べるとき。俺は持参の弁当を鞄から取り出す。今日は姉貴の手作りだそうだが・・・何が入っているのやら。まぁ、そんなことは気にせず、俺は弁当箱を取り出す。中に入っていたのは弁当箱二つ。いつもの弁当なら大きめの弁当箱一つに全て詰め込んでいるのだが・・・今回の弁当箱二つは何故かいつものより一回り小さい。きっとご飯と具を別々にしたのだろう。
パカッ
俺は弁当箱を一つ開ける。そこには、真っ白な米が詰め込まれていた。梅干もゴマも何もない。きっと塩分に関して配慮したのだろう。姉貴は姉貴なりの科学者だ。そういう健康に関しては結構気遣っている奴だ。どこぞのクラフターのカップ麺生活三ヶ月の研究員とは違う。しかし俺を薬の実験対称にするのは気遣いしないようだ。人の身にもなってほしい。
パカッ
もう一つの弁当箱を開ける。何が入っているか。やや形が崩れている手作りの唐揚げ、少々こげ目が入っている卵焼き、そのまま突っ込んだといわんばかりのブロッコリー、ミニトマト。俺はそれぞれ数個入っているだろうな、と想像しながら開けた。姉貴の料理の腕前が上達したとは言えど、きっとそうなっているだろう。と思って開けた。しかしな、しかしな姉貴よ。これは手作りとは言わない。
”ただ”のカレーを突っ込んだけだ。しかも昨日の夕飯で俺が作ったカレーだ。カレーをわざわざ入れる辺り、悪意なのかそれとも面倒くさかったのか、それともチンするだけで手作りと思っているのか、それともたまにはカレーもいいんじゃないかと思ったのか、それとも俺に嫌がらせでもしたかったのか。今日俺が持って来たのは箸だ。しかし俺に抜かりなし。一応フォークとスプーンも持参していたのだ。以前タルタルステーキを突っ込んでいた兄貴一号には驚いた。あの反省を踏まえておいて正解だった。
いざ、カレーの味へ。と、銀色に輝くスプーンを真っ白なご飯へと刺す。その白い草原とも言えたご飯は、少々削り取られ、俺の手によってゆっくり運ばれ、茶色、ところどころに茶色がかったオレンジ色と黄土色の海へ。そこにご飯を乗せたスプーンを入れ、再度持ち上げる。茶色くトロリとした液体と、柔らかいほどまで煮込み、スプーンでも簡単に切れる、じゃが芋と人参。俺はそれらを口へと運ぶ。そしてスプーンのつぼの三分の一ごと口の中へ入れ、カレーのルウのピリ辛さと人参のほのかな甘み、じゃが芋のややパサつく味を楽しみ、ご飯の小さいブドウ糖の甘みで〆る。
・・・しかしただの食レポになったな、弁当食ってるだけなのになんでそうなったんだ
蒼太が弁当を取り出すときとの同時刻―
私は言葉で説明するのがめんどくさいときは使うかな?
>>319-320
まさかの展開………
じみに笑った
まさか、私はツボがおかしいのか?
ホンマに自分が大阪人かわからんくなる今日この頃