登場人物や用語に関しては>>560をどうぞ
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1-1.let 逃亡!〜雪菜side〜
今私たちはベスティアニードからストレーガへと逃げる途中にある森の中にいる
昨日の嵐のような大雨と昼間の快晴からか、霧が辺りを覆っている
「撒けた、かな?」
「たぶんな」
「早くストレーガに帰りたい」
「でもしばらくは何もない平原。やり過ごすのが懸命だと思う」
半ば独り言のような飛鳥の言葉に圭が返し、不安そうに言う菜々美に私が自分の考えを言う
「そうだな。暗い上に木々が多い。さらに霧もあるから身を隠しやすい。逆に言えば僕たちからも向こうの姿は見えないことになるが」
圭が少し困ったように言う
ほぼ無表情だけど、長年一緒にいたから少しの変化でもわかりやすくなった
まあ、圭の心配は私が何とかできるけど
「霧は水蒸気、つまり水よ。水なら私の得意分野、心配する必要ないわ。今だって霧を通して森の中の音を聞き取れているもの」
「水を通したら何か変わるの?」
飛鳥が疑問をぶつけてくる
「音は空気中では気温にもよるけど、およそ340m/s。それが水中では密度の違いでおよそ1500m/sにまで速くなる。つまり空気よりも水の方が音を伝えやすいということ。霧が出ている状態は湿度が100%。普通よりも音を伝えやすいから、周りの音が私にとっては聞き取りやすい。わかった?」
「ぜんぜん!」
元気に即答しないで
「飛鳥に何を説明しても時間の無駄ね」
「素っ気なく罵倒しないで?」
飛鳥はスルー
「時々思うが、雪菜は何気に水だけじゃなくて音も操れる気がする」
圭が言ってることはある意味正しい
「前に主任が言ってたんだけど、異能力って個人によって得意不得意があるけど、一応自然界の色んなものにはたらきかける事ができるでしょ?」
「「そうなの?」」
飛鳥と菜々美が揃って首をかしげる
圭はそんなことも言っていたな、と呟いてから私たちに向かって話す
「たしか異能力は魔法みたいなものだから、少しならあらゆるものに干渉できるんだったな」
飛鳥と菜々美はΣ(゚◇゚;)←こんな顔をしている
たぶん初めて知ったんだろう
「どうしてそんな驚いた顔をしているの?私たちは異能力を使って飛ぶことができるのだから少し考えたらわかるでしょ」
飛鳥はともかく、菜々美はバカではないはz………
「「( ̄□ ̄;)ハッ!!」」
本気で気付いてなかったのね、はあ
私はため息をついてから圭に目で続きを促した
「僕たちが普段どういう能力かって言っているのはあくまで最も強い能力の事だよな?でもひとりにつきそういう能力はひとつのはず。なら何故雪菜はふたつもあるんだ?」
「圭の言っていることは正しい。でも能力にも相性があって、ある程度なら最も相性の良い能力を強くできるらしいわ」
「主任がそんなことを………。あの人はどこまで知っているんだ?」
「主任が怖くなってきた」
それぞれ圭と菜々美が呟く
「もしかしたら、ストレーガもベスティアニードみたいな感じなのかも」
「ええっ⁉️私たちが今までやって来たことは悪いことなの⁉️」
飛鳥の根拠の無い呟きに菜々美が真に受けてしまった
「いや、主任が持ってくる任務の情報は全て正しいものだ。それは僕が毎回確認している」
圭が否定してくれて助かった
「あ、そうなんだ」
いや飛鳥、君のせいで菜々美の主任に対する信頼が落ちるところだったじゃない
「良かった。主任は単純に私たちが社会に溶け込めるように研究しているだけなんだね。危うく主任を信じれなくなるところだったよ」
全て飛鳥のせいよ、菜々美
「飛鳥が余計なこと言うからだ」
全くもってその通りだわ
「ゴメン」
「とりあえずどこか隠れる場所を探しましょ」
「あ、雪菜の存在を忘れてた」
よし、飛鳥は後で締めよう←
そうして私たちは森の探索を始めた
〜to be continued〜
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雪菜は心の声は割りとキャラ崩壊してます!←
設定に書いとくの忘れてた