15巻に燃えたので書く
私は今、盗品の取引が行われるビルに忍び込んでいる。
通気口にこっそり隠れながら周囲をうかがってるけど、周りにありえない光景が広がっていた。
『アスカ、警備員の人数は?人数次第じゃ催眠玉だけじゃあキツいが……』
「いや……それが全員腕をありえない形に折られて倒れてる。
手練れっぽそうな女の人もいたんだけど、その人だけは怪我してない……っぽい。」
本当にありえない光景だ。あんな屈強な大男の警備員たちが無抵抗のままやられたように見える。
ドタバタ争ったような跡は見えないし、通気口から降りて確認したけど、皆外傷が腕だけだ。
あとはまぁ気絶させるためか、お腹に一撃入った形跡……と言うかお腹に殴った跡が服の上からでもわかるほどにあった。
あと何人かは手刀で気絶させたのかな。
私がそうやって確認していると……
「可愛い女の子、見〜つけたっと」
後ろから嫌な気配がして、私が距離を取った瞬間。
私の真横に鋭いナニカが飛んできた。それはガァンッ!と音を立てる。
よく見てみると……ナイフだ。しかも、サバイバル用とかそう言うのじゃなくて……
と言うか……ナイフと言うよりも、牛刀だ。お父さんが持ってたあの大きい包丁……みたいなの。
「あらら、ショートパンツ狙ったんだけど外れたか。
暗いのはやっぱり苦手だ。」
目の前の男は不適に笑いながら刺さった牛刀を引っこ抜く。
ってかコイツさっきの発言からして、どうもただの変態にしか見えない。
「怪盗レッドのアレな写真でも撮って抱き枕カバーにでもすれば……おっさんどもに売れるかなっと!」
男は距離を詰めてくるように走ってきたけど、動きが見え見え。
私は片足軸回転で男の牛刀を握る手を掴んで懐に入って、改良版発勁を放つ構えに入る。
1秒あれば打てる……はず!
「やっぱり……若いのにはこれが効くね」
私の発勁が当たる前に、お腹に鋭い一撃が入ったような感触。
私はその攻撃がお腹に当たった衝撃で……口から普段出ないようなものを……その場にブチまけた。
「っと、女の子だから流石に血吐いちゃうか……内臓大丈夫かなコレ。」
男はそのまま私の腕を一振りで振りほどいて、盗品の取引を行っている……唯一スーツが違う男のカバンを漁り、宝石を取り出した。
「そういや君はこれが目的だったわけか……
まぁ怪盗レッドだしこれぐらいやるよな。」
「な……何が……目的よ。」
私は立って、男に尋ねてみる。答える保証はないだろうけど、1%でも知れれば……
ついでにあの宝石も奪えたら……
『アスカ、隙を見て宝石を奪い取ったらすぐに逃げろ。
奴は少なくとも格上……多分ファンタジスタ以上……UFパークでお前が戦ったあの昆使いクラスには強いはずだ。』
ケイの警告を頭に入れつつ、奴の動きを探る。
「俺の目的?
ん〜……俺ってね、生まれつきか育った環境か知らんけどね、性に関しては止められんのよ。
故に、女の子の怪盗レッドとか、そこに転がってるスーツ姿の秘書ちゃんとか……
服剥いで写真撮るのが好きなのよ。
敢えて写真だけ撮る。それが俺として最高のロマンと言うかジンクスと言うか……」
まぁ俺は、君のその筋肉質で素敵な太ももに惹かれたわけなんだけどね。」
「タキオン並みの最低な人間ね……」
「そりゃ、怪盗ファンアジスタ同様元タキオンの現在アメリカに亡命したフリしてる作戦実行中の男……
怪盗PNTだからね。」
ピーエヌティーって……何それ。と思ったら。
「あ、PNTはパンツの意味だよ。」
ド変態だこの男。今すぐ宝石を奪って逃げないと色んな意味で危ない目に……
「まぁ君の実力が大したことなさすぎるから、もっと強くなったら服剥ぎかな。
じゃ、この宝石置いてくから、また今度会おうか。」
その男はそう言って、変な走り方で走ってどこかへ行ってしまった。
……出来ればもう一生会いたくないけどね。
へ、変態……
イケメンなのに変態って……(笑)