「…受かってる」
パクトに表示された文を見て呟く。それと同時にため息も出てしまう。
第○回神アイドルグランプリ。とは言っても試験に限りなく近い。
毎年数千人ほどの受験生が居るが、合格するのはほんの一握りだけ。
「まぁ、予選は当然ですわね」
隣に居る受験生が話しかける。誰これ?少なくとも私の知り合いには居ない。
だが一次試験の内容はペアで行うらしい。話しかけておいて損は無いだろう。
「あの、誰ですか?」
ゆっくり、はっきり、聞き取りやすいように話す。
受験生は凛とした表情を崩さないまま口をゆっくりと開く。