授業は無事終わり、今は昼休み。
昼休みを各々自由に過ごしている。
明るく柔らかな雰囲気が皆の周りを取り囲んでいる__筈、だったのだが。
何故か、僕らだけその雰囲気の中から弾き出されてしまったようだ。
会話は無く、そして僕らは落胆している。
それと言うのも、僕ら__寝ているカルマ君を除いたいつもの6人は、転校生である女の子の周りに集まってきていた。
朝はちょっとしたハプニングがあって色々と訊けなかったし、何より女の子のは泣いていた。
しかし、その泣いていた理由に僕らは口を出してはいけない気がして。
今はその話題を避けて色々と質問していたところ__なのだが。
僕らがいくら話し掛けても、女の子はうつ向いて答えないのだ。
嫌われちゃったか、或いは怖いのか。
それもそうかも知れない。
だって殆ど知らない人に取り囲まれているんだから。
…とそこで、今まで寝ていたカルマ君が目を覚ました。
ふぁ…、と欠伸をしながら目を擦っている。
カルマ君は、近くにいた僕らに気が付くと近付いてきた。
業「どうしたの?皆して」
どうしよう、と皆で悩んでいたところだったので、話だけでも、とカルマ君に事情を話してみる。
すると、カルマ君は女の子をじっと観察するように見た。
彼が初めて会ったであろう人にこんなにも興味を持つのは珍しいことだが、悪いことではないので注意はしない。
不意に、カルマ君が女の子に顔を近付けた。
!?、と皆の思考回路は一瞬ショートしたことだろう。
奥田さんなんて、あわあわ、と文字通り慌てている。
渚「か、カルマ君…」
そんなに顔を近づけない方が、と今度は注意をしようとしたところでカルマ君がクスリ、と笑った。
渚「え、何?」
何に笑ったの、とそういう意味を込めて訊いてみる。
すると今度は此方を向いたカルマ君が、皆って結構馬鹿?、と貶しているのかただ単にからかっているのか分からない声色で言ってきた。
まぁ激怒はしないものの、馬鹿と言われていい気分はしないので、反論する。何故、と。
業「だって、この女の子__」
次にカルマ君が言った言葉に、僕らは怒るのとは違う意味で赤面することになった。