【>>9の続き】
「………とりあえず、今日はここで解散にしましょ。これじゃもうどうしようもないわ。」
なつめが諦めたように言った。それに四人は無言で頷いて、それぞれが家路に着いた。
誰もヒガサキと一緒に帰ろうとしなかったため、その後彼女がどうなったのかわからない。だが、全員「こいつなら家に帰るだろう」という謎の信頼を寄せていたため、恐らく何事も無く平穏に帰ったのだろう。
翌朝、ユーダイは久しぶりに一番乗りで教室に入った。支度をしている時に次々とタコツボ小隊隊員が入室し、残るはヒガサキになった時。
「昨日のあれさぁ……ヒガっちゃんの冗談とかだったりしないかなぁ……?」
「んな訳無いだろ。本物だったらタカシの発言でボロを出してるだろうし。」
「でも、ハツミってそこそこ演技上手いのよね……ヨッコはどう感じた?」
「特に。霊的なものでは無いみたいだよ。」
「まぁいつか戻るだろ。」
ユーダイを中心にして会議が始まる。全員心配そうな顔をしてはいるが、一大事とまではいかないようだった。
他のクラスメイトが大体登校してきたときにはいつの間にか会議が終了し、各々が各々で自由に過ごしていたその時だった。
ガラガラという扉が開く音の後、ガタンという大きな音が後ろから聞こえた。驚いてそちらを見ると、見慣れた脳筋がそこにいた。