「うわ爆豪、おまえそれどうしたんだよ!」
朝になって爆豪の怪我に気が付いた上鳴が騒ぎ立てる。
爆豪は怪我を隠すことなんてせず、大きなものだけ軽く治療をしただけなのでそれはもう目立つ。湿布だらけでも目立つけど、ここまで堂々としているものだから驚くしかない。
「うるせェ」
「騒いだっておかしくねえだろ!だっておまえそれ、自分の顔見た!?」
「腫れてるだけだ、問題ねえ」
「どこが問題ないんだよ!問題大アリだアホ!リカバリーガールのとこ行ってこい!」
「この程度の怪我で行くかボケ、どっかの誰かみてーに骨折でもしなけりゃ行かねえよ」
「見てるこっちは痛々しいんだっつの!」
まあそりゃあ大きな声で叫んでるものだから、たくさんの人がなんだなんだと寄ってくる。
それを察したであろう爆豪が、いつものように「どけ」と一言言い放って上鳴から離れていった。
「あっ馬鹿爆豪、」
「朝からどしたんお前ら」
「上鳴がバクゴーに突っかかるなんて珍しいねー?」
騒ぎを聞きつけた瀬呂と芦戸が上鳴に声をかけた。
しかし上鳴は爆豪の怪我を隠すべきことだと思ったのか、ごにょごにょと不自然に呟いて黙ってしまった。