「…影山は髪短いよな。伸ばさねぇの?」
「ちょっと日向、女王様のことだよ。邪魔だから伸ばさないとか分かりやすいこと言うって」
プスプスと笑う月島を睨む。…たしかにそうだけども、なんか悔しい
「別に伸ばしても似合わねぇし…」
「に、」
「それに、こいつの言った通り邪魔だ」
「……」
すると普段は腹立つほどうるさい日向が黙り込んだ。不気味に思った俺と伊月は、日向に声をかける。
「どうしたんだ日向?」
「日向?」
「………に、」
「「に?」」
「似合うよ!!絶対長いのも似合う!!だから伸ばせよ!」
やっと声を出した日向の言葉に、俺と伊月は呆れた。
「はあ?話聞けよお前。似合わねぇって自分で知ってんだよ。あと髪が邪魔なのは腹が立って仕方ない」
「だっ、でも!自分で似合わないとか思ってるだけじゃん!それと邪魔なら結べば良いよ!」
「…まあ、そうかもしれないけど…。つーか、なんでお前がそんな必死になってんだよ。」
こいつ、髪が長い女が好みなのか?
いや、こいつは女よりバレーの方が好きだからな。んなもんねぇか
「せっかくキレイな髪してるから長いのも見てみたいんだよ!!…あ、いや、だからって今のも似合わないって言う訳じゃないけど!でも長いのも見てみたい!だから俺としては伸ばして欲しいというか、なんていうか…。」
だんだん声が小さくなっていく日向に、伊月が吹き出す。
「……」
「そうだ!影山マネージャーになったんだから、俺たちが勝てるように願掛けで伸ばしたら良いじゃん!!」
「「はあ?」」
こいつは突拍子も無いことを言いやがるな…でも、邪魔なもんは邪魔なんだよなぁ
「…気が向いたらな」
「ッホントか!?」
「気が向いたらだからな!絶対じゃないぞ!」