"コナン君"がお風呂から上がって来た。
「蘭ねぇちゃん。夕飯出来た?」
新一が聞くのでわたしは答えた。
「うん。今出来たわ。ホラ、お父さんも煙草吸ってないでこっち来てよ。」
「おー。なぁ、蘭。何かあったのか?蘭がボーッとする何て珍しいじゃねぇか。」
わたしはお父さんに心配されてしまう。しっかりしないと!"コナン君"にわたしの気持ちがバレたら大変な事になる。
「ううん、大丈夫。平気よ? さぁ!食べるわよー!いただきます。」
>>15はわたしです。
わたしは平気なフリをする。そうしないと着が滅入ってしまいそうだから。
*夜*
「会いたいよ…新一…!」
会える訳無いけどなのに呟く。"コナン君"としてじゃなく、
"工藤新一"としてわたしを見て欲しい。
それはわたしのワガママ?
そんな時、わたしのケータイが鳴った。
「誰だろ…こんな遅くに…」
それは新一だった。
「もしもし、新一?どうしたの、こんな遅くに…」
『よう!蘭、久しぶりだな!こんな遅くに悪いな。ちょっとオメェの声が聴きたくなってな。』
いつもわたしの声聴いてる癖に。新一同様、"コナン君"に話す内容も、言葉遣いも違う。"コナン君"としてじゃなく、"工藤新一"としてわたしに電話してくれた。でも、寂しいのは変わらない。
「元気…な訳無いじゃない!新一が居ないんだから!バカ、バカ!新一のバカ‼どこで何やってんのよ?早く、早く帰って来てよ…わたしだって寂しいの!」
つい、興奮して気が高ぶって涙声になる。これじゃ、新一に心配されちゃうよ。それにどこに居るかは分かってる。近くに居る様で遠くて、どこに居るのか分からない。"コナン君"が本当の新一なのか、"工藤新一"としてわたしに接する新一が本当の新一なのか。もう、もう分かんないよ…
『悪いな、蘭。まだ帰れそうに無いんだ。待っててくれよ?って、オメェ泣いてんのか?バーロ、オレの為に泣くんじゃねぇよ。蘭に泣かれるとオレが困るんだよ。前にも言ったけどな。』