あ、そうだ。
あいつにも会わなきゃね。
今日葬式のあの奴の孫である新エンマ大王。
私の心は青空のようだった。
弾むようにこっそりバルコニーに入ると、うん。
本当に貧弱な私より、凛々しい。
家来に話しかけるエンマは、私とは違うんだねぇ、
エンマがここを出たときに、会いに行こうか。
エンマは書類を取りに書斎へ向かった。
おい。
おーい。
私だよー。カイラだよー。
エンマは驚きのあまり、手に持っていた書類を落とした。
「なんで…カイラが…」
驚いた口が塞がらない程度に驚いたのだろう。
「うん。久しぶりだねぇ」
私の言葉にエンマは少し落ち着いたようだ。
私は少し顔を赤らめ、
「あそこへ行こうよ、」
エンマの返事は仕事が終わってから、だそう。
私はそこで一旦別れた。
屋敷の裏は、暖かい日が照り、昔の幸せを憶いだす。
私にとって幸せな世界に、一歩ずつ進んでいる。
エンマがこちらに駆けてくる。
あそことは、よく華を摘みに行った華畑。
私たちは、体を擦り合わせ、くっつき、顔を寄せる。
私はそこで話を持ちかけた。あの辛い牢獄の中での。