いつか、亡びる2人。
今のうちに、幸せに浸りたい。
また、いつか必ずここを離れる私。
夕日が沈み、星で埋め尽くされた夜空の下、2人は手をつなぎ、家路へ向かう。
「エンマ、聞きたいんだけれど、ぬらりは?」
屋敷の中では一回でも見ていない。
「ああ、元気だよ。とても、前くらいには動かんのだけど…。」
ぬらりは私が捨てられているのを見つけて拾ってくれた。でも、そのあとのぬらりは先代エンマに暴力を振るわれ、ケガだらけでも私の面倒見てくれたから……。少し心配して聞いただけなんだけど。
部屋に着き、エンマと寄り添い寝台につく。
エンマの脇元に頭を置く。
「カイラ、そんなにくっつきたいなら…。
もっとくっついてていいぞ。」
こちらからよく見えるエンマの顔は真っ赤だった。
そして、私は幸せに浸りながら意識を落とした。