早苗「?あ、幻の郷でしたっけ?あれって本当にあるんですかぁ?諏訪子様の作り話かと…」
出会った時から幻想郷、幻想郷、と騒いでいるが、私はその場所を見たことがない。
寧ろ、あるんだ、へ〜、なレベル。でも、とても綺麗だ、そういう。
諏訪子「って!聞いてる?」
早苗「えっ!?あ、何でしょう?」
あはは、と苦笑いし、頭を撫でる…
諏訪子「ちがぁ〜う!!本当にあるってば〜ねぇ?神奈子!」
まーた始まった。諏訪子様はこうなるとムキになって止まんない。
面倒になってきたから学校行こう…
スタスタ、と歩き出す。軽快ではあるが、憂鬱な音色。そんな朝。
カララッ、と教室の戸を開けると、まりんちゃんを含め、何人かの女子がこちらを向いて、ヒソヒソと悪口を言う。
絶賛、虐められ中だから。
はぁ…と小さくため息をついて、窓を見る。
先程までは曇っては居たものの、雨は降っていなかった。が、今はパラパラと少しずつではあるが降っている。
早苗(どうしよう…傘持ってきてないや。帰る頃にはやむかしら。)
まあ、持ってきても隠されるな、と思った。
初めて諏訪子様と神奈子様が現れたのは小学生の時。
神様なんていない、東風谷馬鹿じゃん!、早苗ちゃんて何でそんなウソついてるの?、あのね、そんなのいないのよ、
って言われた。悲しくて悔しくて言い返せなくて、トイレの個室でし始業の鐘がなってもないていた。
そんな時、
「はい、飴。早苗、どうぞっ!」
そう言って帽子を上げたのが諏訪子様。
「何で本当のことを言ってるって、言い返さないんだい?」
不思議そうに私の顔を覗き込んできた。
「やめろ諏訪子、怖がってる。」
そう言ったのが神奈子様。
意味がわからなかった。でも、何となくわかった気がした。
早苗「もしかして、グスッ、神様?」
諏訪子「あぁ、そうさ!早苗の信仰心から生まれたミシャクジの神様さ。」
神奈子「私たちはいつもお前を見守っている。だから安心していな。」
保健室のベットに何時の間にか寝ていたらしい。目が覚めたら保健室にいた。
すぐに神様が助けてくれた、そう思った。