京都の大学に編入?(この国ではそういうらしい)する事になった。
と言っても、暇だし、学校に行くくらいしかできることもない。
カツン、カツンと、私のブーツのヒールの音が響く。この大学はいいところなのかしら…
でも、外国人だからと言われて避けられたり…って、
いやね、私ったら初日から不安や弱音ばかり…それに日本をもっと知るにはいい機会よ…
ごくっ、とツバを飲み、ガチャリ、とドアノブを回し、ドアを押す。
目の前に広がるのは、長い白い机にパイプ椅子。それに座る多くの生徒。そして生徒の視線の先には、
大きな黒板が広がる。すると、先生と思われる人物の手が私の方にヒラヒラと振る。あぁ、私を呼んでいる。
私は、ふぅ、と息を吐き、木でできた床を歩き、黒板の前に立つ。大勢の視線が私に刺さる。
私は覚悟を決めていった。
「ま、マエリベリー・ハーンです!趣味は、えと、(ええい、テンパるなマエリベリー!読書です。よろしくお願いします!」
言えたぁ…。