「話…?」
こくりとうなずき、
「ちょっと、来てくれる?」
と、想楽ちゃんについてくるよう促す。
想楽ちゃんは不思議そうな顔をしながらも、「うん」とうなずいた。
無言で歩き、体育館倉庫の裏に来る。
「話って?」
想楽ちゃんが口を開いた。
私は振り返り、深呼吸をしてから、
「私、太陽くんに告白したの」
「え?」
この事は、想楽ちゃんに伝えていなかった。
告白したことも、
「振られたよ」
想楽ちゃんが目を丸くして、
「嘘でしょ?」
「太陽くん、」
少しの沈黙が訪れる。
「好きな子いるって…」
そう口に出した瞬間、涙がこみ上げてきた。
「カコ…」
と、想楽ちゃんが背中をさすってくれる。
その手の温かさに、涙がもっとあふれる。
「偉いね、頑張ったね」
うわああ、と、幼稚園児のように、声を出して泣いた。
本当に、本当に好きだった。
少しは、私に想いを寄せてくれてるんじゃないかって、期待してた。
でも、それは間違いだった。
太陽くんは、私ではない、他の子の事が好きだったのだ。